ヨーロッパ旅行ならではの楽しみの一つに「素敵な街並」との出会いがあります。ひとつひとつの家は個性があるけど全体として調和が取れていて、独特の雰囲気を醸(かも)し出している街は本当に素敵です。そういう街では、家々を眺めながらゆっくりと散歩して、思う存分その街の雰囲気に包みこまれましょう。旅行者には無理だけど、本当は犬を連れて歩くともっと雰囲気の中に溶け込めるような気がします。
歴史的漁村、「バーフルール(Barfleur)」
シェルブールのあるコタンタン半島の北東端にある小さな漁村です。今は人口千人にも満たない小さな漁村ですが、歴史的には重要な出来事の舞台でした。
- 1066年にウィリアム一世(第1代イングランド王)はここから船を出してイングランドの征服に向かいました。
- 1120年にヘンリー一世(第3代イングランド王)の後継ぎ息子を乗せた船、ホワイトシップがこの近くで遭難しました。
- 1154年にヘンリー二世(第5代イングランド王)はスティーヴン(第4代イングランド王)の死を聞いてイングランド王として名乗りを上げるためイングランドに向かおうとここに来ましたが、風向きが悪く足止めを食いました。その間6週間イングランドは王不在でした。
ここノルマンディー、特に後で出て来るオンフルールは印象派画家が活躍した所でもあります。 |
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ここの港は潮の干満の差が激しくて、干潮の時は港の船はむき出しになった海底にゴロゴロしていて奇妙です。大きな船は岸壁に寄りよりかかって立っています。翌朝、満潮の時には全てちゃんと浮いていました。
夕焼けになってまさに印象派の絵の様な光景でした。 |
タペストリーの街、「バイユー(Bayeux)」
シェルブールのあるコタンタン半島を離れ、海岸沿いに東にルーアンに向かって進み、最初のちょっと大きな街がバイユーです。 |
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バイユーは、ウィリアム一世のイングランド征服の様子を絵で綴ったタペストリー(毛糸で刺繍した布で出来た絵巻物)があることでイギリス人には有名な街です。
街中には歴史を感じさせる素敵な古い家がいくつか建っていました。写真はその中の一つです。 |
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バイユーのさらに東のクールソーユ(Courseulles-sur-Mer)という牡蠣の取れる村で見かけた風車です。 |
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クールソーユの南にあるフォンテーヌ・オンリー(Fontaine-Henry)城です。ルネッサンス建築の良い例だそうです。イギリスの城(castle)やドイツの城(schloss)
とは違っていてやっぱりフランスの城(chateau)という気がする建物です。 |
印象派の街、「オンフルール(Honfleur)」
バイユー、クールソーユよりもさらにずっと東のセーヌ河の河口にある街です。古い建物が残る良い感じの街で、印象派の画家が活躍した所でもあります。 |
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間口は5mくらいで狭いのに7階建てにもなる建物がビッチリ並んでいるのは何とも面白い街並です。 |
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狭い路地に石畳で、骨組みが太い木で外にむき出しになっている家(勝手に「木骨造り」と命名しました)がたくさんあって、ローテンブルグとは一味違った古い街の良さがあります。 |
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ツタにおおわれた素敵な家を見つけました。以前イギリスで見たツタにおおわれた家は、ツタが紅葉してそこに陽を受けて輝くような真っ赤な色になって、それはそれは素敵でした。 |
ジャンヌダルクの街、「ルーアン」
オンフルールから東にセーヌ河を溯ったところにある大きな街です。素敵な街並という点では、オンフルールと並んでルーアンも絶対にお勧めです。ジャンヌダルクはこの街で裁かれ処刑されました。 |
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ハーフ・ティンバーの家が並ぶとても雰囲気のある街並です。写真の家のように上に行くほど床面積が広くなるのは、家の下部を雨風から守るためだそうです。よくある間取りは、一階に店とその奥に台所さらに奥にラセン階段があって、二階に大きな部屋が一つ、三階から上は寝室です。 |
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街の中心にあるノートル・ダム大聖堂の入口です。フレンチ・ゴシック建築だそうです。大聖堂前の広場が花で埋められていてきれいでした。 |
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大聖堂からジャンヌダルクの広場にに続くRue du Gros-Horlogeという通りです。ここは両側に古い家が建ち並ぶ素晴らしい所です。通りをまたぐ写真の時計は、以前は塔の上にあったのをルーアン市民がもっと良く見たがったために1527
年にここに移動されたそうです。 |
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大聖堂やジャンヌダルク広場の近くにたくさんの教会がありますが、その中でどの教会だったか覚えていないのですが、写真のようにステンドグラスがきれいな所がありました。 |
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ルーアンを流れるセーヌ河にかかる橋に夜になると写真のようなイルミネーションが施されていました。川岸には移動遊園地があって、夜になってもとてもにぎやかでした。 |