旅作りのヒント【こだわりの旅】

夏の北海道ファミリー・キャンプ

Last update : 1998/12/05


1991年から1996年まで毎年夏休みに北海道でキャンプしました。娘が小学校1年生の時に始めたので小学校6年間通い続けたことになります。

自然とのふれあい【動物編】

毎年野生のキタキツネに出会えました。これは一週間もキャンプしながら周りを観光していれば遅かれ早かれドライブの途中の道端で出会ったり、展望台から見渡せる景色の中に見つけることができました。キャンプ場にも夜になると時々現れます。夜寝る時は残飯などの入ったゴミ袋をうっかりテントの外に出したままにしておくとキタキツネに散らかされてしまうことがあります。

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初めて出会ったキタキツネ

道東では野生のタンチョウヅルもわりと簡単に出会えます。何でもない国道の横の草地に見つけた時は、最初は模型が置いてあるのだと思ってしまいました。いつも2羽一緒にいるようです。1羽だけしか見えない時もそのうちにもう1羽どこからか現れました。遠くにいても緑の中に「白と黒の点」が動いていたらそれがタンチョウヅルです。望遠鏡(ニコンのフィールド・スコープが防水で定評もありお勧めです。カメラ用の三脚も必要です。)があればずっと良く見えます。

野生のシカは6年間で2回だけ出会えました。1回目は釧路湿原の展望台から見渡せる景色の中で茶色の点がいくつかあるのを望遠鏡でのぞいてシカだと分かりました。2回目は層雲峡の国道上で林の中にいる子鹿を見つけました。(毎晩必ずシカに出会える宿もあるそうですので場所によってはもっと簡単に見られるのかもしれません。)

層雲峡で見かけた子鹿

キツツキ(特にアカゲラ)もキャンプをしているとよく見かけました。木の幹をくちばしで突つく音もよく聞こえてきます。

自然とのふれあい【植物編】

山の中や沢沿いを歩いていると食べられるキノコに時々出会います。キノコ図鑑を持ってない時に今までに見た事もないとてもきれいなキノコを見つけました。食べられるかどうか分からなかったのでそのままにしてきましたが、後で調べると「タマゴダケ」というキノコで、「最もおいしいキノコの一つ」と書いてありました。今度見つけたら食べてみようと思っています。

美瑛のハイキング・コースの途中で見つけた「タマゴダケ」

白い卵の殻のような所から生え出していてかさの表面がつるつるして光っています。これは取らずにそのままにしてきました。

の名前も覚えたいと思うのですが、動物・鳥・キノコと違って探す努力をしなくてもたくさんの種類の花が周りにあるのでなかなか覚えられません。夏の北海道には日本各地の大学の生物部の学生が合宿に来ているようです。中には原生花園等で観光客の案内をして花のことを教えてくれる学生さんもいました。その一人にモウセンゴケを教えてもらいました。これは一度これがモウセンゴケだと教えてもらうとあっちこっちで見かけるようになって、たまに小さな蝶が捕まっているのを見つけたりして楽しめます。

娘(当時小学校4年生)が写生した花の絵。

自然とのふれあい【天文編】

東京に住んでいるときれいな星空を眺める機会はあまり無いですが、キャンプ中は晴れてさえいれば毎晩見る事が出来ます。キャンプ場の中は照明があって明るすぎる所が多いので、ちょっと歩いて光の無い所まで行くと、天の川もはっきり見えます。ピクニックシートを広げて仰向けに寝転がってしばらく星空を眺めていると、よっぽど運が悪くない限りそのうちに流れ星も見られます。ひときわ明るい黄色い星があれば、たいてい金星か木星です。もし望遠鏡があれば、木星の衛星も見られます。キャンプ中は早く寝る事が多いですが、よく晴れていて本当に星がよく見えている時は遅くまで起きていればアンドロメダ大星雲が肉眼でも見られます。子供達は流れ星と木星の衛星に感激していました。

海の幸

北海道の楽しみ、それもキャンプでないと楽しめないもの、それが新鮮な海の幸の食べ放題です。昔からの雑然として活気のある「市場」に行って、氷の詰まった台の上に並んでいる魚や貝の中からおいしそうなのを選びます。「キャンプをしているので」と言って氷をたっぷり付けてもらってキャンプ場に持ち帰ります。刺し身にしたり、炭火の上で塩焼きにしたり、煮付けたり、味噌汁に入れたり、お吸い物にしたり、といろんな食べ方を好きに出来るのがキャンプならではです。こちらで覚えたカジカ汁は、ちょっと涼しすぎるような晩の夕食にピッタリです。

もしキャンプでなくてもお昼に「市場」に行くと、ご飯の上に乗せる具を、イクラ、イカ、ウニ、ホタテ、その他いろいろの中から好きなだけ選んでその場で海鮮丼を作ってくれる所がたいていあります。それを市場の中のベンチに座って食べてる人が結構います。(期待するほど安くはないですが)

市場が無くても鮮魚コーナーが充実したスーパーで刺し身を何種類か買って近くの公園に持って行って食べる手もあります。96年のキャンプの最後の日には刺し身の食べ納めにこの手を使いました。旭川市のど真ん中で国道237号が国道12/39号にぶつかる交差点にある旭友(きょくゆう)というスーパーで何種類もの刺し身を買って、すぐ近くの(スーパーから北東方向)常盤公園という広い公園の木陰でピクニック・シートを広げてビール片手に食べました。こういうのって地元の人には出来ない旅行者の特権みたいなものです。

95年、根室でキャンプしている時に、近くの小さな港に行ってちょうど入ってきたばかりの漁船から花咲ガニと毛ガニを合わせて6匹ももらいました。いくらか渡そうとしましたが「いいよ、いいよ」と言うことでタダでした。運とタイミングが良ければ漁船が入ってくるのをねらって行くと、いろいろと安く(あるいはタダで)魚が手に入りそうです。

国道沿いによくある海の幸を売っている観光客向けの大きなお店は、カニやサケ等の値段が普通のスーパーで買うのに比べてもかなり高いような気がします。

キャンプだからゴチャゴチャと何でも手当たり次第に食べるのがおいしいです。
漁船からもらったカニとカジカ

釣り

私は釣りに関しては完全に初心者であまり熱心でもないのですが、北海道で釣りをするのは面白いです。

小さな港の岩壁から、テントのポールに釣り糸と釣り針を付けてエサにせんべいのかけらをつけてそこに泳いでいるのが見えている魚を釣れた時は楽しかったです。釣った魚は地元の人は「骨っぽくてあまりおいしくない」と言っていましたが、キャンプで炭火の上で塩焼きにしておいしく食べてしまいました。

キャンプ場には釣りを目的に来ている人も結構います。炊事場でクーラーボックス一杯に釣ってきた魚をさばいている人に声をかけると、どこで釣れるのか教えてくれる親切な人もいます。私が一度挑戦したいと思っているのは山の中の渓流でのオショロコマ(赤い斑点のあるイワナ)釣りです。オショロコマが釣れる場所は結構皆さん秘密にしていて毎年同じ所に釣りに来るような人もいるみたいです。私は渓流釣りは完璧に初心者なので、いつかキャンプ場でオショロコマ釣りの人と仲良くなるチャンスがあれば、一度連れて行ってもらうのがいいかなと思っています。

温泉・露天風呂

キャンプ中は温泉に入るのもまた格別なものです。特に自然の中の露天風呂なら最高です。道東の屈斜路湖畔の砂湯という所は、湖畔の砂を掘ると温泉が湧いてきます。しかもキャンプ場の中にそういう所があるのです。テントの隣はプライベートな自作露天風呂、という楽しみが出来ます。湧いてくるお湯のままだと熱すぎるので、屈斜路湖の水とちょうどよく混ぜながら湯加減をします。夏休み中はかなり混雑するので既にたくさんのお風呂が掘られていますが、その隙間に小さくても自分で掘るのが楽しいわけです。せっかく掘っても屈斜路湖の観光船の波で湖とお風呂の境が壊されてしまうと、今度はもっと丈夫なダムを造る楽しみがあります。

砂湯の自作露天風呂

もっとワイルドなのが知床半島のカムイワッカ湯の滝です。我家の子供達の6年間のキャンプの中で楽しかった所No.1がここです。カムイワッカ湯の滝は「露天風呂」として楽しむのは全体の楽しさの4分の1くらいです。ここは温かい水の流れる沢の中を歩く道中を楽しむ方がずっと大きいです。我家流カムイワッカ湯の滝の楽しみ方:

カムイワッカ湯の滝に登る道中の天然のウォーターシュート
同じく天然のジェットバス付き温水プール

我家が行った中での北海道の露天風呂ベスト3は:

逆に行ってみたけど入る気がしなかった所は:

キャンプ

最近はオートキャンプが流行っていますが、ゆっくり滞在するなら車をテントの側まで乗り入れさせないキャンプ場の方が静かで落ち着けます。我家が一番好きなキャンプ場は次のような所です。

今までに使った北海道のキャンプ場の中で最高に良かったのは道北のサロベツ原野にある兜沼キャンプ場でした。ここは温泉ではなくて普通のお風呂ですがそれ以外は上の全ての希望を満たしています。(本当は他にも良かった所はありますが、キャンプ場の善し悪しはかなり主観的な面が大きいので・・・)

北海道のキャンプ場は利用料金と快適さは全く比例していません。我家は家族4人テント持ち込みで一泊1000円を超える所は利用しないようにこだわっています。ケチと言われるかもしれませんが、学生時代にキャンプ場でない所(当然無料)か山の中のキャンプ指定地(ほとんど無料)でキャンプするのが当たり前だったので、1000円以上も払わないと使えない所なんて「キャンプ」の定義からはずれているような気がしてしまいます。

キャンプの道具の中で、あまり持ってきている人は多くないけどとても便利な物をいくつか紹介します。

我家の子供達が選んだ北海道ベスト3

  1. カムイワッカ湯の滝
  2. 川湯(屈斜路湖そば)での乗馬
  3. 砂湯(屈斜路湖畔)での露天風呂掘り

北海道で思い出に残ったことベスト7

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